楽天モバイルの歴史を完全解説|プラン変遷・0円廃止の理由・今後

楽天モバイルの歴史とプラン変遷、0円廃止から今後までを示したアイキャッチ画像

楽天モバイルは、2014年の格安SIM時代から現在に至るまで、料金プランも事業戦略も大胆に変えてきた通信サービスです。

こうした変遷があったため、ネット上の評判を見ても「安いけど電波が怖い」「またいきなり改悪されるのでは?」と不安に感じる人も多いはずです。

この記事では、楽天モバイルの歴史とプラン変遷を時系列で整理しながら、0円廃止の理由と、今契約して後悔しないのかまで判断できるようにまとめます。

過去の変更を時系列で追えば、「楽天モバイルはなぜここまで評判が割れるのか」と「今のプランは本当に使えるのか」が判断しやすくなります。

目次

楽天モバイルの歴史【全体像と年表】

まずは、楽天モバイルがいつから始まり、どのような出来事があったのか、主要な歴史を年表で振り返ります。

  • 2014年:楽天モバイルがMVNO(格安SIM)として参入
  • 2017年:FREETELを買収
  • 2018年:総務省から新規参入の認定を受け、自社回線(MNO)参入を本格表明
  • 2019年:無料サポータープログラム(試験運用)開始
  • 2020年:自社回線サービスを本格開始、1年無料キャンペーン
  • 2021年:1GBまで0円の「UN-LIMIT VI」開始
  • 2022年:「UN-LIMIT VII」で0円廃止
  • 2023年:au回線も無制限の「Rakuten最強プラン」開始
  • 2024年:プラチナバンドの運用開始
楽天モバイルの歴史を2014年から2024年まで時系列で示した年表インフォグラフィック

ざっくり言えば、楽天モバイルは「他社の回線を借りる格安SIM」から始まり、「無料施策で一気に契約者を増やし」、その後は黒字化と通信品質の改善へ舵を切ってきたサービスです。

この流れを大きく3つのフェーズに分けると、楽天が抱えていた課題と目的がさらによくわかります。

時期主な特徴目的当時の課題
2014〜2019年MVNO(格安SIM)時代楽天経済圏へのユーザー誘導回線を借りる立場ゆえの利益率の低さと自由度のなさ
2019〜2021年MNO(自社回線)参入・無料時代圧倒的な価格による認知獲得とシェア奪取自社エリアの狭さと、基地局整備の巨額な先行投資
2022年〜現在0円廃止・黒字化への転換期ARPU(顧客単価)の向上と通信品質の改善0円ユーザーの離脱対応とプラチナバンドの整備

ここからは、それぞれの時代に何があったのかを具体的に見ていきましょう。

MVNO時代(2014〜)

2014年10月、楽天はNTTドコモの回線を借りる格安SIMとして通信事業に参入しました。2017年には競合だった「FREETEL」を買収し、一気に市場での存在感を高めます。

当時の狙いは、通信事業単体の利益だけでなく、楽天市場や楽天カードなどを含む「楽天経済圏」にモバイルユーザーを取り込むことにあったと考えられます。

ただ、他社の回線を借りている状態では、自由な価格設定やサービス展開に限界があります。他社依存の構造から抜け出すため、自社でアンテナを持つ「第4のキャリア(MNO)」への参入を決断します。

MNO参入(2019〜)

自社回線によるサービスは、2019年の試験運用を経て、2020年4月に本格的な一般向けサービスがスタートしました。つまり、2019年は試験運用の年、2020年が本格スタートの年と考えると流れをつかみやすいです。

本格開始時の大きな武器が「1年間無料」という前代未聞のキャンペーンと、専用機材を使わずにソフトウェアでネットワークを構築する「完全仮想化」という新技術でした。

とはいえ、サービス開始当初は自社の電波が届くエリアが極端に狭い状態でした。そのため、「無料」という強烈なメリットを提示してユーザーを集めつつ、エリア拡大の時間を稼ぐ必要があったわけです。

黒字化への転換期(2022〜)

無料キャンペーンや0円プランで順調にユーザー数を伸ばしましたが、2022年に入ると戦略を大きく転換します。「ユーザーの数」を追うフェーズから、一人あたりの売上を重視する「収益化」のフェーズへの移行です。

その象徴が「1GBまで0円」の廃止でした。

いまは「安い」だけでなく、「ちゃんとつながること」と「事業として成り立つこと」の両立を目指す段階に入っています。

楽天モバイルの歴代プラン変遷まとめ

先に結論を言うと、楽天モバイルのプラン変遷は「無料で広げる」→「0円で囲い込む」→「有料化で収益化」→「最強プランで実用性を補強する」という流れです。

楽天モバイルのプランは、競合の動向や自社の状況に合わせて変化してきました。「昔から今まで、何がどう変わったか」を、ユーザーへの影響も含めて比較表で整理します。

スクロールできます
プラン名時期月額(税込)データ条件変更の主な理由ユーザーへの影響
Rakuten UN-LIMIT
(初期)
2020年4月3,278円
(先着1年無料)
自社エリア無制限
パートナー5GB
MNO本格参入の話題化と、初期ユーザー獲得のため。「無料なら」とお試しで契約する人が続出し、話題化。
UN-LIMIT VI2021年4月0円〜3,278円
(段階制)
1GBまで0円維持他社値下げへの対抗。低利用者やサブ回線需要の囲い込み。サブ回線需要が急増。「楽天=0円」のイメージが定着。
UN-LIMIT VII2022年7月1,078円〜3,278円
(段階制)
0円廃止、3GB〜ローミング費用などの重圧による赤字構造の改善。0円維持勢が大量離脱し「改悪」と騒がれた。
Rakuten最強プラン2023年6月1,078円〜3,278円
(段階制据え置き)
パートナー回線も無制限に繋がりやすさの不満を解消し、メイン回線化を促すため。エリアの不満が減り、メイン回線候補に浮上した。
楽天モバイルの歴代プラン変遷を初期UN-LIMITから最強プランまで比較したインフォグラフィック

各プランの背景をもう少し詳しく見ていきましょう。

Rakuten UN-LIMIT(無料時代)

2020年4月にスタートした、先着300万人を対象とした「1年間無料」プランです。

エリア外(au回線)は月5GBまでという制限がありましたが、通話料も抑えやすかったため、「とりあえず持っておこう」という層を大量に獲得しました。

UN-LIMIT VI(段階制)

2021年4月、ahamoなど競合の値下げに対抗する形で導入されたのが、この段階制プランです。

最大の特徴は「1GBまで0円」でした。このプランで「使わなければ0円」「サブ回線なら最強」という認識が一気に広がり、契約者数が急増しました。

サブ回線としての使い方は今でも相性がよく、デュアルSIMなどで通信費を抑えたい方は、現在も楽天モバイルをサブ回線として活用するメリットが十分にあります。

UN-LIMIT VII(有料化)

2022年7月、ついに「0円」が廃止され、最低料金が3GBまで1,078円(税込)からの実質的な値上げが行われました。

「未来永劫0円は無理」という発言とともに導入されたこの改定により、0円維持を目的にしていたユーザーの大量解約が発生します。その一方で、料金を払ってでも使い続けるユーザーが残り、収益化に向けた土台が作られました。

Rakuten最強プラン(現在)

2023年6月に発表された、現在提供されているプランです。

料金体系はそのままに、これまでネックだった「パートナー回線(au)での5GB制限」を撤廃しました。これにより、au回線に繋がった場合でも無制限でデータを使えるようになり、地下や地方での使いやすさが以前より改善しています。

なぜ楽天モバイルは「0円」をやめたのか?

楽天モバイルの歴史において、最もユーザーからの反発が大きかった「0円廃止」。なぜ、これほど反発が出ると分かっていながら0円をやめたのか、その裏側を解説します。

表向きの理由

当時の公式発表では、「人口カバー率が97%に達し、高品質な通信を提供できるようになったため、適切な対価をいただくフェーズに入った」と説明されました。

また、通信を全く使わない人と大量に使う人の不公平感をなくし、継続的に設備投資を行うためのアップグレードである、という論理でした。ただ、利用者からすると「説明は分かるが、なぜ今なのか」という疑問が残る改定でもありました。

本当の理由(ビジネス的背景)

実際には、設備投資とローミング費用の負担が重く、0円を続けるのが事業として厳しくなっていたと考える方が自然です。

当時、楽天モバイルは自社エリア外でau回線に繋がるたびに、KDDIへデータ利用料を支払っていました。つまり、0円ユーザーが増えれば増えるほど、楽天から他社へ現金が流出する「逆ザヤ構造」に陥っていたのです。

モバイル事業の赤字がグループ全体の業績を圧迫し始めたため、痛みを伴う「損切り」を決断せざるを得ない状況でした。

ユーザーへの影響と結果

この決断は、一時的に激しい反発を生みました。

  • サブ回線勢の離脱: 0円維持を目的にしていた数十万件規模のユーザーが解約・他社へ流出。
  • ブランドの毀損: 「改悪」というネガティブなイメージがネット上に定着。
  • ARPU(顧客単価)の改善: 痛みを伴った一方で、残ったのは「月に数千円払ってでも無制限に価値を感じる」ユーザーとなり、結果的に1人あたりの売上改善にはつながりました。

楽天モバイルの歴史からわかる“3つの失敗”

急激な成長の裏には、後手や無理が生じた「失敗」もありました。

失敗①:契約数拡大を優先し、低収益ユーザーを増やしすぎたこと

契約数の拡大を優先した結果、利益を生まない0円ユーザーを大量に抱え込んでしまったことです。出口戦略が曖昧なまま無料キャンペーンを広げたことで、のちの有料化の際に反発を大きくしてしまいました。

失敗②:実利用で重要な「建物内・地下」の対応の遅れ

初期のエリア展開において、「人口カバー率」という面の広さを優先しました。その結果、建物内や地下など、実際の生活で電波が欲しい場所の改善が後手に回り、「楽天は繋がらない」という印象を強く残す結果となりました。

電波状況の改善策を知りたい方は、楽天モバイルが屋内で繋がらない原因と対処法も参考にしてください。

失敗③:急なローミング停止による混乱

赤字を減らすために、自社のアンテナ整備が完全に追いついていない地域でも、KDDIから借りていた電波を段階的に縮小した時期がありました。

その結果、昨日まで使えていた場所で圏外になるケースも出て、メイン回線として使っていたユーザーの信頼を一時的に損ないました。

楽天モバイルの歴史から見る“3つの強み”

失敗の一方で、大手キャリアが簡単には真似できない独自の強みも育ててきました。

強み①:ソフトウェア主導の低コスト構造

他社が専用の高価な通信機器を使っているのに対し、楽天は汎用サーバーとソフトウェアでネットワークを構築する「完全仮想化」を採用しています。

これにより、ネットワークの構築・運用においてコスト削減を狙いやすい構造を持っています。こうした構造が、楽天モバイルの低価格戦略を支える一因になっていると考えられます。

強み②:楽天経済圏との強力な連携

楽天モバイルを契約する最大のメリットは、「通信費を払う」だけでなく「ポイントが貯まる」ことです。

契約しているだけで楽天市場でのポイント還元率(SPU)が上がるため、楽天市場の利用額しだいでは、通信費の負担感を抑えやすい仕組みです。

強み③:専用アプリによる通話無料

専用アプリ「Rakuten Link」を使えば、国内通話が相手のキャリア問わず無料になります。他社では月額1,000円〜2,000円程度かかる「かけ放題」が標準でついているのは大きな強みです。

ただ、データ通信を利用した電話であるため、通常の電話回線に比べて音質が落ちたり、一部繋がりにくいフリーダイヤルがあるなどの弱点も存在します。

楽天モバイルの現在地と競争状況

様々な変遷を経て、現在の楽天モバイルは「誰にとって強い」サービスになっているのでしょうか。

大手3キャリアとの明確な違い

ドコモ、au、ソフトバンクとの決定的な違いは、「単身・無条件での安さ」です。

大手キャリアの無制限プランは月額7,000円台が主流で、家族割や光回線とのセット割を組んでようやく安くなります。一方、楽天モバイルはそうした条件なしで、最初から3,278円(税込)で無制限利用が可能です。

特に、データ通信量が多い人、楽天経済圏をよく使う人、仕事などで通話が多い人にとっては、十分有力な選択肢です。

ユーザー評価のリアル

最強プランの開始以降、「以前よりつながるようになった」「au回線のおかげで地方でも不便が減った」という声は増えています。

とはいえ、都心のビル内や地下ではまだ不安を挙げる人もいます。実際の利用者の声をもっと知りたい方は、楽天モバイルの評判の記事をご確認ください。

楽天モバイルの今後はどうなる?【未来予測】

これから契約を考える人にとって、今後の楽天モバイルがどうなるかは気になるところです。予想されるシナリオを整理します。

プラチナバンドの浸透

2024年夏から「プラチナバンド(700MHz帯)」の運用が一部で始まりました。

プラチナバンドは壁や障害物を回り込む性質があるため、これまで弱点だった「屋内」や「地下」での繋がりやすさが徐々に改善されていくと考えられます。ただ、使える電波の幅には限りがあるため、速度を劇的に上げるものではなく、あくまで「圏外の解消」に向けた補強という立ち位置です。

黒字化の見通し

楽天グループ全体としては、モバイル事業の早期黒字化を目指しています。

契約者数が安定して伸びており、これが達成されれば事業基盤の安定につながる可能性があります。ただし、黒字化が実現したとしても、今後の投資負担や競争環境しだいで料金戦略が変わる可能性はあるため、黒字化だけで全ての不安が消えるわけではありません。

今後のシナリオ

今後の展開については、大きく2つの道が考えられます。

  • 楽観シナリオ: プラチナバンドの整備とパートナー回線の併用がうまく機能し、「安くて普通に繋がる第4のキャリア」として完全に定着する。
  • 悲観シナリオ: 競合他社がさらなる値下げやサブブランドの強化に動き、楽天の契約者数の伸びが鈍化。設備投資の負担が再び重くのしかかる。

【FAQ】楽天モバイルの歴史・プランに関するよくある質問

楽天モバイルはいつから始まった?

楽天モバイル自体は2014年10月にMVNO(格安SIM)として始まりました。現在のような自社回線サービス(MNO)は、2020年4月8日に本格スタートしています。

話題になった「0円プラン」はいつ終わったのですか?

2022年7月の「Rakuten UN-LIMIT VII」導入に伴い、1GBまでの0円設定は廃止されました。(※既存ユーザー向けの移行措置は同年10月末で完全に終了)

楽天モバイルは現在どの回線を使っていますか?

基本は楽天モバイルの自社回線を使用し、自社の電波が届きにくいエリアではパートナー回線としてau(KDDI)の回線を使用しています。「Rakuten最強プラン」では、どちらの回線に繋がってもデータ無制限で利用可能です。

結論:楽天モバイルは今、契約すべきか?

楽天モバイルは、0円プランで一気に契約者を伸ばし、その後の有料化で大きな反発も受けたサービスです。

ただ、その歴史を振り返ると、単なる改悪ではなく「加入者拡大フェーズ」から「事業として成立させるフェーズ」への転換だったと整理できます。

「また急に改悪されるのでは?」という不安について
過去に0円廃止という大きな変更があったのは事実です。今後も細かな条件変更の可能性はゼロではありませんが、事業が収益化の軌道に乗りつつある現在、0円廃止時と同じ性質の「大幅な仕様変更」がすぐ起こるとまでは言い切れません。

現在は、料金の安さに加えて、パートナー回線の強化やプラチナバンドの運用開始によって、以前より実用性は確実に上がっています。

楽天モバイルが向いている人と向いていない人を判断できるフローチャート画像

とはいえ、どんな人にも無条件でおすすめできるわけではありません。

向いている人

  • 毎月のデータ使用量が多い人
  • 楽天経済圏(楽天市場など)を使う人
  • 通話料を抑えたい人

これらに当てはまる人にとっては、有力な選択肢です。

向いていない人

逆に、地下やビル内での安定性を最優先したい人や、仕事で通信トラブルが絶対に許されない人は、生活圏での実測確認をしてから判断した方が安心です。

迷っているなら、「料金の安さ」だけで飛びつくのではなく、「自分の使い方と楽天モバイルの強みが噛み合うか」で決めてください。そこを外さなければ、乗り換えの満足度は高くなりやすいです。

迷う人は、まず自宅・職場・よく使う駅や商業施設で楽天回線が使えるかを確認したうえで、料金メリットと天秤にかけるのが失敗しにくいです。

そのうえで乗り換えを決めた場合は、損をしないために楽天モバイルの最新キャンペーン情報も事前に確認しておきましょう。

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この記事を書いた人

SIMトクは、楽天モバイルを中心に通信キャリアの制度・仕様・契約条件を中立的に整理する解説サイトです。

「安さ」ではなく、「向いているかどうか」を判断できる材料を提供することを目的とし、場合によっては「やめた方がいい」という結論も明確に示しています。

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