楽天モバイルを利用する上で、アンテナは立っているのに通信が進まない「パケ詰まり」への不安を感じる方は少なくありません。この現象は感情的な問題ではなく、周波数帯の特性や基地局の収容能力といった物理的な構造に起因します。
この記事では、2026年時点の最新の技術情報に基づき、楽天モバイルで通信が停滞するメカニズムと、利用を継続すべきかどうかの判断基準を客観的に整理しました。
なお、パケ詰まりは「楽天モバイルがひどい」と言われる理由の一部に過ぎません。 通信以外の評判や誤解も含めて整理したい場合は、 楽天モバイルは本当にひどいのか?評判を構造的に整理した解説 も併せて確認してください。
- 使用場所におけるユーザー密度と基地局の距離
- プラチナバンド(700MHz帯)の帯域幅による容量制限
- 利用するアプリケーションが要求する通信品質のリアルタイム性
- パケ詰まり発生時に代替手段(副回線)を確保できる運用環境
楽天モバイルでパケ詰まりが起きる構造的要因
楽天モバイルにおいて通信の停滞が発生する背景には、同社に割り当てられた周波数帯の物理的制約と、特定の場所にトラフィックが集中するネットワークの構造的特性があります。これらを理解することで、パケ詰まりが「どこで」「なぜ」起きるのかを予測することが可能です。
パケットロスが発生するメカニズム

モバイル通信におけるパケ詰まりの正体は、物理層での信号強度が確保されていても、データ伝送の確認応答が途絶えることで発生する「再送ループ」です。※簡単に言うと「電波は届いているが、混雑で順番待ちが詰まり、データが何度も送り直されている状態」です。この処理が繰り返されることで、ユーザーの画面上では通信が止まっているように見えます。
プラチナバンドの帯域幅による容量制限

2024年から導入されたプラチナバンド(Band 28)は、建物の奥まで届きやすい特性を持ちますが、楽天モバイルに割り当てられた帯域幅は3MHz幅と限定的です。これは他社のプラチナバンドと比較して「車線数が非常に少ない道路」のような状態であり、少人数の接続でもすぐに飽和し、通信速度の低下やパケ詰まりを誘発する構造となっています。
ターミナル駅における回線の過密状態

新宿や梅田といった巨大ターミナル駅では、数万人単位のユーザーが同一の基地局エリアに集中します。楽天モバイルの主力である1.7GHz帯(Band 3)は20MHz幅の容量を持ちますが、このキャパシティを上回る接続要求がランチタイムや帰宅ラッシュ時に殺到すると、リソースブロックの割り当てが限界に達し、結果として「通信は繋がっているのに実際には動かない」状態になります。
建物内や地下での信号減衰の影響
地下空間や大型商業施設の中心部では、屋外からの電波が遮蔽物によって減衰します。アンテナ表示が1〜2本の不安定な状態では、通信の誤り訂正が頻発し、実効速度が著しく低下します。インフラシェアリングによる屋内対策が進んでいるものの、基地局から離れたスポットでは依然としてパケットの疎通確認に時間がかかるケースが見られます。
5Gと4Gの境界で起きる接続の不整合
2026年現在、5G Sub6(3.7GHz帯)のエリア拡大が進んでいますが、4Gと5Gの電波が切り替わる際に通信が停滞する事象が発生します。ここで起きているのは「完全な圏外」ではなく、通信路が確立できずデータが流れない状態であり、ローミング切替時の瞬断とは別の現象です。特に5Gの弱い信号を優先して掴もうとする際に顕著となります。
楽天モバイルのパケ詰まりを許容できるかの基準
パケ詰まりの影響度は、ユーザーがスマートフォンをどのような用途で、どのような環境で利用するかによって大きく異なります。自身のライフスタイルが以下の条件に合致するかを照らし合わせることで、楽天モバイルの継続利用や新規契約の是非を判断できます。
決済アプリやゲームへの影響範囲
QRコード決済やリアルタイム対戦ゲームは、通信の「遅延」や「瞬断」に対して極めて敏感です。レジ前でのパケ詰まりは利便性を著しく損なうため、これらを生活の基盤としているユーザーにとって、混雑時間帯の不安定さは大きなリスクとなります。逆に、動画視聴やWeb閲覧が主であれば、バッファリングによって数秒の遅延は許容できる可能性があります。
デュアルSIMによるリスク回避の有効性
パケ詰まりの物理的制約を回避する最も現実的な手段は、他社回線とのデュアルSIM運用です。楽天モバイルをデータ無制限のメイン回線とし、通信が不安定な場所では他社の安価なサブ回線に切り替える運用ができれば、楽天モバイルのコストメリットを享受しつつ、通信不能という最悪の事態を回避できます。
実際にどのような組み合わせで運用すれば成立するのかは、 povo×楽天モバイル併用(iPhone)の具体的な構成と注意点 で詳しく解説しています。
2026年時点の基地局増設による改善状況
楽天モバイルは2025年後半から2026年にかけて、都市部を中心に基地局の密度を高める施策を継続しています。特に5G Sub6の出力増強が進んだ地域では、4G側の負荷が分散され、以前のような深刻なパケ詰まりが解消されつつある地点も増えています。過去の情報だけでなく、現在の居住エリアの整備状況を把握することが重要です。
生活圏における実効速度の確認手順
最終的な判断は、自身の主要な行動範囲での実測に依存します。※2025年以降は短期解約に手数料が発生するため、試行利用を行う場合は8日間キャンセル制度の条件を事前に確認した上で判断してください。そのため、事前に生活圏の混雑時間帯を想定し、短期間で集中的に確認することが重要です。

通信の仕組みや許容ラインを理解した上で、 「結局、自分は契約すべきか?」を総合的に判断したい場合は、 楽天モバイルをレビュー|2026年の実態を冷静に検証 で最終判断を行ってください。
楽天モバイルのパケ詰まり対策と最終判断
楽天モバイルはプラチナバンドの運用開始や基地局増設により品質改善を図っていますが、構造上の帯域不足によるパケ詰まりのリスクを完全にゼロにすることは不可能です。以上の検証結果を踏まえ、以下に該当するかで最終的な意思決定を行ってください。
向いている人
- Wi-Fi環境が整っており、外出先での通信断を許容できる
- デュアルSIM機能を活用し、状況に応じて回線を切り替えられる
- 月額3,278円のデータ無制限というコストパフォーマンスを最優先する
やめた方がいい人
- 仕事の連絡やWeb会議をモバイル回線一本に依存している
- ターミナル駅や地下街での利用がメインで、1秒の遅延も避けたい
- 設定の変更や複数回線の管理を煩雑に感じる
免責事項:本記事の情報は2026年1月時点の公開情報および技術的推察に基づくものです。通信品質は地域や建物の構造、利用端末、通信規格の普及状況により大きく変動します。最新のサービス提供エリアや仕様については、必ず楽天モバイル公式サイトにてご確認ください。
